Fusion Energy
FAST Project
始動
人類の持続的な発展のためには、
安心安全でクリーンなエネルギーが必要です。
私たちはフュージョンエネルギーを実装した
新たな社会への道を構築し、人類、そして地球の未来を支えます。
FAST (Fusion by Advanced Superconducting Tokamak) プロジェクトは2030年代のフュージョンエネルギー発電実証*を目指します。
*発電実証の意味:フュージョン反応によりブランケットを熱し、そこから取り出した熱を用いて熱交換器を介してタービンを駆動し、2500kWh(10 MWの電力(=家庭2万戸分)/15分間)を発生。
What is FAST?
FASTは、燃焼プラズマからフュージョンエネルギーを取り出し、そのプラズマ維持と工学的な課題を統合的に実証する、世界で初めてのプロジェクトです。
2030年代のフュージョンエネルギー発電実証を目指します。
物理実験段階にあるフュージョンエネルギーを、エネルギーシステムとして構築するために必要な様々の技術課題(ギャップ)を総合的に解決することを目指します。
持続的な燃焼プラズマ、エネルギーの取り出しと変換、三重水素(トリチウム)燃料サイクル、システムインテグレーションと安全性の実証を行います。特にトリチウムの燃焼と中性子発生に伴う技術開発と実証試験を行い、核融合原型炉や商用炉開発、世界のエネルギー実証計画に貢献します。
About
Fusion Energy
フュージョンエネルギーは、太陽や星が輝くためのエネルギー源です。
重水素(Deuterium)、トリチウム(Tritium)といった軽い原子核同士の核融合反応によって、膨大なエネルギーが放出されます。
重水素は海水から抽出が可能、トリチウムは自己増殖が可能といった、自国での燃料確保という地政学的な利点があり、また燃料や生成物に温室効果ガスを含まず、カーボンニュートラル社会に貢献します。
高レベル放射性廃棄物が発生しないことから、次世代の究極的なエネルギー源として、早期開発が期待されています。
Why Tokamak?
01/03
多くの実験に基づくスケーリング則の有効性
トカマクは1950年代から研究開発が進められ、これまで数多くの研究が行われてきました。
それらの実験とシミュレーション研究結果に基づき、大型のフュージョンプラントに向けた外装性(スケーリング則)の信頼性があります。さらに、低アスペクト比トカマク装置が、小型装置でありながら高い性能が得やすいことが最近の研究で分かっています。
02/03
プラントに必要な技術検討の進展
ITERや国内原型炉など、トカマク方式の次世代装置に対する技術開発と検討は数多く進められています。
FASTは、ITER設計以後に登場した先進技術も取り込み、いまだ着手できていない課題を解決します。
03/03
燃焼プラズマの実現
エネルギーの取り出しと発電実証を目指す本プロジェクトでは、「燃焼プラ ズマ」状態を実現する必要があります。
トカマク方式では、ITERスケーリングのデータベースがあり、FASTはその範囲内での燃焼プラズマ(フュージョン反応)維持を目指すため、大きな技術的リスクなく達成できると考えます。
About FAST
新たな最新技術のとリ込み
高温超伝導(HTS)コイル、低放射化材料、高温ブランケット、発電、熱利用、中性子利用など、未だフュージョンで実装されていない最新技術を取り込み、フュージョンエネルギーの産業化を目指します。また、国内外、民間・公的機関の協力者とともに実施します。
世界初の統合フュージョンエネルギー
発電実証装置
燃焼プラズマ、エネルギーの取り出しと変換、燃料増殖サイクルを統合した世界で初めての装置です。低アスペ クト比トカマクを選ぶことで、小型でかつ高圧力プラズマが比較的短期間で実現でき、エネルギー変換システムを試験できます。
実施地域とともに
FASTの実施地は、日本国内での実施場所を公募した上で選定します。安全性に関する情報はすべて開示し、実施地域の方々との対話に基づいて安全志向でのエネルギー開発を進めます。実施地域に新たな学術拠点を設け、先進産業サプライチェーンの構築を進めます。
波及効果
FASTは燃焼プラズマとエネルギー生成に関する統合的な技術試験を行う装置です。
日本の原型炉だけでなく、様々な原理に基づく世界の他のフュージョン方式開発の安全で早期の開発進展にも貢献します。
FASTの装置仕様
FASTはHTSコイルを使った低アスペクト比トカマク装置とし、小型で経済的なプラントに必要な実証試験を行います。早期の社会実装に必要な研究開発を行うため、以下の仕様で設計を進めます。
D-T核融合反応
50-100 MW
中性子壁負荷
300 – 1,000 kW/m^2
放電時間
約1000 秒
積算フルパワー運転時間
約1000 時間
Schedule
FASTは、2030年代の発電実証を目指します。
フュージョンエネルギーの産業化に必要な工学試験を進め、技術的なギャップを解消します。
Organization
FASTプロジェクトは国内外の核融合専門家との協力の下で、京都フュージョニアリングが開発を推進する民間主導の産学連携プロジェクトです。
設計、計画、運転を担う研究者主導チームを組織し、プラズマ物理や核融合炉工学の専門家を中心とした国内外の専門家による協力研究者と共にプロジェクトを推進します。
また、京都フュージョニアリングの株主である三井物産、三井不動産、三菱商事、丸紅、フジクラや、プラントにおける建物の安全解析に実績のある鹿島建設 、また古河電工等も含む商社、不動産会社、メーカー、ゼネコン等のJ-Fusion参加企業を中心とした産業パートナーと協力し、プラント設計、プラントの安全解析やサイト公募、立地準備を進めるなど、順次取り組みを加速させていきます。
フュージョンに知見や実績のある米国、英国、カナダ等の国際連携パートナーとも協力を推進します。